「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか　スピードは最強の武器である」を読みました。

去年の夏頃に、Kindle Unlimitedでリリースされていたので「なぜ、あなたの仕事は終わらないのかスピードは最強の武器である」を読みました。

Kindle Unlimitedの対象は時期により変更されるため、現在はUnlimited対象ではありませんが、仕事における各タスクの作業時間の見積もりに苦しんでいる方には、参考にできる内容だと思います。

著者は、マイクロソフトにおいてWindows95のGUIを確立したと言っても差し支えがない中核部分を開発した技術者であります。さらに本書によるWindowsにIEを同梱し、結果として独占禁止法に抵触したなどのエピソードも書かれており、IT業界に興味がある方も一読すると良いかと思います。

さて、本書における作業時間の見積もりについては、多くの開発者を悩ます押し付けのスケジュールを如何に断り、自分で作業見積もりを正確に行うかという観点が記載されております。

平易な文章で書かれておりますが、中には２０倍界王拳など、国民的漫画（アニメーション）であるドラゴンボールネタが入っておりますが、（万が一これを知らない方には何のことやらわからないかもしれませんが、）要は仕事は全体のボリュームのはじめの２割で８割を片付けられるかを早急に判断すべしということが書かれております。

著者の夏休みの宿題の片付け方もエピソードとして記載されておりますが、仕事においてはスケジュールが何でも存在し、このスケジュールは後になるほど調整が難しいため、はじめに自分で当該タスクをこなした場合に、与えられたスケジュール通りに完了できるかを全体の２割のボリュームの時間で８割こなせるか（ここで２０倍界王拳を使う）をやってみて、こなせればそのままタスクを与えられたスケジュール通りにこなす。

ここで、早く終わらせられると思っても終わらせないことも肝だと言っております。

早く終わると次の仕事が来るのが通常ですからね。

そして、２割の期間で８割こなせなければ、その理由を説明し、作業スケジュールが適切でないことを説明し、スケジュールの変更を求めます。

８割とは言わずとも、全力でタスクに取り掛かっているため、後どのぐらいで作業が完了できるかの目処も正確に立てられ、かつ、全体の期間のはじめの２割でスケジュール変更を申し出るため、調整の時間もあるということです。

本当にスケジュールが調整可能かというのは各々置かれている状況が違うため、必ず調整できるとは思いませんが、本書に書かれている考え方には非常に共感が持てます。

こういう考え方を持った人が組織内に多くいることで、働き方改革は本当の意味で進むのだろうなぁってことを考えてしまい、随分前に読んだ本の感想を記載しました。